下田・九十浜海水浴場でシュノーケリング|透明度抜群!伊豆の穴場ビーチガイド

伊豆・下田エリアには数多くの海水浴場があり、シュノーケリングが楽しめる場所も充実しています。中でも「知る人ぞ知る存在」として、根強い人気を誇るのが九十浜(くじゅっぱま)海水浴場です。

この記事では、九十浜海水浴場の魅力、シュノーケリングの楽しみ方、どんな魚たちと出会えるかなどを詳しく紹介していきます。

目次

九十浜海水浴場はどんな場所?

九十浜海水浴場は静岡県下田市須崎地区に位置する、小さな入り江になっているビーチです。下田駅から車で約10分とアクセスは良好ながら、メインの観光地からは少し離れているため、夏のピークシーズンでも比較的落ち着いた雰囲気です。

左右を岩礁に囲まれ、中央には砂地が広がる入り江の構造をしているため、波も穏やかで、初心者でも安心してシュノーケリングを楽しめる環境となっています。

一方で外洋にも近く、黒潮の影響を受けやすいため、見られる魚種はとても豊富。「ビーチポイント=生き物が少ない」というイメージを良い意味で裏切ってくれる場所です。

九十浜海水浴場への行き方、施設情報

九十浜へ行くには、車で行くのが便利です。シュノーケリング用品のレンタルショップが現地にはないので、自分で準備して行くには車での移動がラクチンです。

車で:東京・名古屋方面から

東名高速道路で沼津ICへ。その後、伊豆縦貫道から国道414号線へ入ります。河津・下田方面へ南下し、下田市街を通過し「須崎方面」へ。しばらく走ると「九十浜海水浴場」の看板が見えてくるので、それを目印に進んでいきましょう。
所要時間の目安は、東京からは約3.5〜4時間、名古屋からは約4〜4.5時間。

電車+バスで

電車とバスを利用して行くこともできます。

最寄り駅は伊豆急行線 「伊豆急下田駅」です。東京駅や品川駅から特急踊り子に乗車すれば、乗り換えなしで伊豆急下田駅まで行けます(乗り換えが必要な場合もあり)。所要時間は約2時間40分。
伊豆急下田駅に着いたら10番のバス乗り場から「爪木崎行き」に乗車します。最寄りのバス停「爪木崎グリーンエリア」までは約15分。下車してからは徒歩3分で九十浜に到着します。バスは本数が限られているので、事前に時間をチェックしておきましょう。

施設情報

トイレは年間を通して使えますが、シャワー、更衣室は海水浴シーズン(例年7〜8月)限定で使用可能です。春、秋、冬は使用不可なので、海水浴シーズン以外にシュノーケリングに行く場合は注意しましょう。

駐車場から坂を下りていくと、九十浜の海の鮮やかなブルーが目に飛び込んでくる(写真/下田市観光協会)

ベストシーズン、水温

シュノーケリングのベストシーズンは、6月下旬〜9月中旬です。夏から秋にかけては水温も徐々に上がり、次第に幼魚が増えるため、生物観察に最適です。9月〜10月は、水温はまだ温かく、しかも透明度が高くなる時期。海水浴客も来なくなるため、落ち着いてシュノーケリングを楽しみたい人にはおすすめのシーズンです。風向きは南〜南東風の日が穏やかになりやすく、前日の海況チェックは必須です。
水温は7~9月は24℃以上になり、ラッシュガードでも快適にシュノーケリングが楽しめます。11~5月頃は水温が20℃を下回るため、ウエットスーツを着用したほうがよいでしょう。水温が最も下がるのは2月で、14〜15℃です。

基本情報

駐車場あり
設備・サービストイレ/あり
シャワー、更衣室/あり(海水浴シーズン限定)
参考サイトhttps://www.shimoda-city.info/kujupama

九十浜がシュノーケリングに最適な理由

夏場は大勢の海水浴客がやって来る人気のビーチ

九十浜は海水浴場としてはもちろんですが、シュノーケリングポイントとしても高い人気を誇ります。どんなところが人気の秘訣なのかを解説していきます。

透明度が安定している

九十浜の最大の魅力は、何と言ってもその透明度の高さです。
条件の良い日には、10m以上先まで見渡せることも珍しくありません。

なぜ透明度が高いのか? その理由は主に2つあります。

外洋に近い立地

下田周辺は太平洋に面しており、海水の入れ替わりが活発です。これにより濁りが溜まりにくく、常にクリアな水質が保たれます。

入り江なのでうねりが入りにくい

うねりが入りにくく、海底の砂が巻き上げられにくいことも、透明度の維持に繋がっています。
なお、透明度の良さを特に実感できるのは、午前中。太陽光が斜めから差し込み、水中の色彩が最も美しく見える時間帯です。

見られる生き物が豊富で、南方種もやって来る

九十浜でシュノーケリングをする時は、ビーチの左側、右側の岩礁帯を中心に回るルートがおすすめです。特に右側の浅瀬では、岩の割れ目や裏側に生物が多く潜んでいます。伊豆近海で見られる生き物のほか、夏から秋にかけては季節来遊魚もやってきて、色鮮やかな南方種の幼魚などが見られるのも大きな魅力です。

浅瀬でも楽しめるので、子ども連れでも安心

九十浜のビーチの両端の岩礁帯は、浅瀬でもいろいろな生き物を観察できます。穏やかな環境なので、子ども連れでシュノーケリングを楽しみたい方にも適しています。

出会える魚・生き物たち

九十浜では、ソラスズメダイの群れやチョウチョウウオ、メジナやタカサゴなどいろいろな魚と遭遇するチャンスがあります。
また岩の割れ目や裏側を観察すると、ウミウシやカエルウオなどを見つけられることも。ここでは、シュノーケリングを楽しむエリアによって、どのような魚や生き物と会えるかを紹介します。

ビーチ向かって右側のエリア。浅瀬でいろいろな生き物が見られる(写真/写真AC)

ビーチ左側の岩礁帯は魚影が濃い

ビーチの左側の岩礁帯は、魚影が最も濃いエリア。エントリー後、左方向に向かって泳いでいくと、ソラスズメダイ、チョウチョウウオ、オヤビッチャ、カゴカキダイなどが見られます。岩の縁に沿って進んでいくと、群れに遭遇しやすいので、じっくり観察してみましょう。

チョウチョウウオが見られることも 九十浜海水浴場|下田市|伊豆の海水浴場とビーチガイド より

中央の砂地はイカと遭遇することも

ビーチを少し泳ぎ出たエリアは、ダテハゼなどのハゼ類、カマスの幼魚などを見かけることがあります。また初夏の産卵期にはアオリイカがやって来ることも。ただ、左右の岩礁帯に比べると、見られる生き物は少な目です。海底は砂地なので、フィンで砂を巻き上げないように注意しましょう。

ビーチ右側の浅瀬はマクロ派向け

ビーチの右側の浅瀬エリアは、ハコフグの幼魚やカサゴ、カエルウオ、ウミウシなどとの遭遇チャンスがあります。岩場の割れ目や裏側を注意深く探すと、いろいろな生き物が見つかります。またアイゴやキュウセン、キタマクラ、クサフグなども見られます。このエリアは波の影響が少なく穏やかなエリアなので、じっくりシュノーケリングが楽しめます。

生き物たちの写真・動画撮影のコツ

九十浜は透明度が良いことが多いので、写真や動画撮影を楽しむのにも向いています。スマートフォンを防水ケースに入れれば、水面付近の撮影も可能ですが、できれば防水仕様の水中カメラやコンデジをハウジング(防水ケース)に入れた撮影機材を使うと、よりきれいな水中写真が撮れます。

魚の群れや海藻が広がる風景などを撮りたいなら、ワイドコンバージョンレンズをつけるのがおすすめです。また、動画を撮りたいという人は、防水ケースに入れたアクションカムを使えばラクラク撮影できます。

安心安全にシュノーケリングを楽しむためのコツ

九十浜でのシュノーケリングは、基本セルフで楽しむことになります。安全に十分気をつけて楽しむようにしましょう。

必ず海況や天候を確認する

九十浜は波の影響を受けにくい地形をしていますが、台風が接近しているときなどは海が荒れることがあります。必ず行く前に海況や天候を確認しておきましょう。

ライフジャケット、ラッシュガードかウエットスーツは必須

器材のレンタルショップは近くにないので、必要なアイテムを準備しておきましょう。特に浮力を確保するためのライフジャケットは必ず着用して海に入るようにしましょう。日焼け対策とクラゲなどの有害な生物から身を守るために、長袖長ズボンのラッシュガードかウエットスーツを着用しましょう。岩場で足をケガしないために、マリンシューズも忘れずに。

マスク、フィン、シュノーケルはサイズが合った適正なものを

マスク、フィン、シュノーケルは、安価なものもありますが、信頼できる器材メーカーがシュノーケリング用に作っているものを選びましょう。またサイズが自分に合っているものを使うようにしましょう。

必ずバディで海に入り、子どもからは目を離さないで

海水浴シーズンには監視員がいますが、一人で海に入るのはNG。必ずバディで海に入って、常にお互いに安全を確認しながら楽しむようにしましょう。またお子さん連れでシュノーケリングを楽しむ場合は、目を離さないように注意しましょう。またこまめに休憩をとって、疲れがたまらないように気をつけてあげることも大事です。

なお、シュノーケリング中は、生き物には触らないようにしましょう。また、ゴミは必ず持ち帰るなど、マナーを守って楽しむようにしてくださいね。

シュノーケリング後に立ち寄りたいスポット

九十浜でのシュノーケリングを楽しんだ後は、近くにある須崎御用邸周辺を散策したり、下田港周辺に足を伸ばして海鮮グルメを楽しんだりとお楽しみが豊富です。

須崎御用邸周辺の海岸散策路

須崎御用邸は、下田市須崎地区の岬に位置する皇室ゆかりの静養地。九十浜は須崎御用邸に隣接しているので、周辺の散策を楽しんでみましょう。海岸沿いに散策路や遊歩道があるので、海を見ながら散歩できます。散策路にはタイドプールもあるので、生き物観察も楽しめます。なお私有地や立ち入り禁止区域には入らないように注意して。

下田海中水族館で魚たちをチェック

イルカショーが見られるほか、ドルフィンシュノーケルで一緒に泳ぐこともできる(写真/下田市観光協会)

下田へ行ったら、立ち寄りたいスポットとして人気なのが下田海中水族館。自然の入り江を生かした展示で、イルカとのふれあい体験やショーなどが楽しめるほか、ドルフィンダイビングやシュノーケリングも行っています。また伊豆の海の生き物の展示も充実しているので、シュノーケリングで出会った魚を間近で見られるかも⁉ 九十浜からは車で約10分で行けます。

下田港周辺で金目鯛グルメ&温泉でリラックス

下田の街中には、地魚を使ったおいしい料理を提供する店がたくさんあります。中でもおすすめなのが、金目鯛料理。下田港は金目鯛の水揚げ量日本一の港で、年間の水揚量は1000トン以上。なんと下田で水揚げされる魚の8割が金目鯛と言われています。刺身、煮付け、しゃぶしゃぶなどいろんな食べ方ができて、どれも美味しい! ぜひ食べてみて。

金目鯛の煮付け(写真/下田市観光協会)

また下田市には日帰り温泉施設が豊富。下田聚楽ホテル、下田プリンスホテルなどのホテル、そのほか旅館でも日帰りでの温泉入浴を受け付けているところは何軒もあります。温泉に入る時間がなくても、伊豆急下田駅前に「開国の湯」という足湯があります。気軽に立ち寄ってみてください。

まとめ:九十浜海水浴場は南伊豆屈指の隠れた名スポット

九十浜海水浴場は、高い透明度、南伊豆らしい魚種の豊富さ、そして穏やかな海況がそろった初心者から楽しめるシュノーケリングポイントです。また、静かで小ぢんまりとしたビーチは、ファミリーでシュノーケリングを楽しむのにも適しています。伊豆半島でシュノーケリングを楽しみたいと思ったら、ぜひ九十浜を候補に入れてみてください。


ライタープロフィール
山崎陽子

編集者/ライター

学生時代に訪れた沖縄・慶良間諸島で海の美しさに魅了され、卒業後スキューバダイビングの専門誌『マリンダイビング』編集部に就職。沖縄、モルディブ、タヒチ、パラオ、メキシコ、タイなど、国内外約30エリアの海と島を取材。現在はフリーランスとして、幅広いジャンルで活動中。著書に『こんなの見たことない! 海のエイリアン図鑑』(共著、2024年 山と溪谷社)がある。

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