「海に行きたいけど、どこか特別な場所がいい」、「人混みを避けて、透明度の高い海で泳ぎたい」「でもシュノーケリング初心者だから不安…」。
そんなふうに考えるマリンスポーツビギナーのあなたに、人生が変わるほどの感動体験を約束してくれる秘境の島をご紹介します。それが、東京都心から南へ約200kmの場所に浮かぶ「御蔵島(みくらじま)」です。
御蔵島の最大の魅力は、なんといっても島の周辺に約150頭ほど定住していると言われる野生のミナミバンドウイルカ。彼らと一緒に泳ぐ「ドルフィンスイム」は、ダイビングの特別な技術は必要なく、ツアーの参加条件を満たし、基本的なシュノーケリングの練習さえしておけばどなたでも体験できます。
この記事は
・これからシュノーケリングを始める人
・夏に数回、海に行くかもくらいの初心者
・「御蔵島ってどうやって行くの?」と情報収集を始めたばかりの人
を対象に、御蔵島で野生のイルカと安全に出会うための方法、おすすめツアー、宿泊施設、アクセス情報をマリンスポーツライターが徹底的に解説します。この夏、御蔵島の奇跡の海で、忘れられない思い出を作りましょう!
御蔵島シュノーケリングの魅力

御蔵島でのシュノーケリングは、単に熱帯魚を眺めるだけの体験とは一線を画します。その魅力は他のどこにもない「野生との出会い」と「圧倒的な海の透明度」に集約されます。
人懐っこい野生のイルカと泳ぐ「ドルフィンスイム」
御蔵島周辺には、一年中、野生のミナミバンドウイルカが定住しています。彼らは非常に懐っこく、遭遇率はなんと90%以上とも言われる。一緒に泳ぐことができるのが最大の魅力です。
船から海に入り、イルカの群れを見つけたら、ガイドさんの指示に従って静かに海面を漂います。 水中で目が合った時の感動、好奇心旺盛なイルカが目の前でスピンする様子は、まさに「非日常」そのものです。
高い透明度を誇る「黒潮の海」
御蔵島の海は、温かい黒潮(くろしお)が流れているため、非常に透明度が高く、時には30m以上先まで見通せることもあります。この高い透明度のおかげで、シュノーケリングでも水深深くを優雅に泳ぐイルカの姿をクリアに見ることができます。
御蔵島の海岸線は、切り立った断崖絶壁が多く、そこから流れ込む川がないため、生活排水や土砂の流入が少なく、常に美しいブルーを保っています。
島全体が「原生林」に覆われた手つかずの自然
御蔵島は、島の約9割が原生林で覆われており、手付かずの自然が残されています。
「自然を守り、野生のイルカを尊重する」という島の理念により、島の周辺には開発されたビーチやレジャースポットはほとんどありません。結果として、海の豊かさを守り、世界でも稀に見る素晴らしいドルフィンスイムの環境を維持しています。
「シュノーケリング」という言葉を聞いてイメージする、穏やかな南国リゾートとは違う、静かで、厳かで、そして生命に溢れた海。それが御蔵島の真の魅力です。
御蔵島のシュノーケリングスポット

御蔵島でシュノーケリングを楽しむ=「ドルフィンスイムツアーに参加する」と考えて間違いありません。
気軽に立ち寄れる砂浜や海水浴場はなく、シュノーケリングスポットは極めて限られています。島の周囲は切り立った崖が多く、波の影響も受けやすいため、安全に海に入るためには、経験豊富なガイドが同行するツアーに参加することが必須となります。
メインスポットは「島の周囲の海域」
ツアーでは、島の周囲を船で巡り、イルカの群れを探します。イルカの活動エリアは日によって変わるため、特定の「スポット」というよりも、その日のベストな海域でシュノーケリングが行われます。
イルカを見つけても、個々で自由に入水するわけでなく、イルカを熟知している船長やツアーガイドの合図を待ちます。イルカが船に興味を示し、一緒に遊んでくれるサインを必ず確認する。これが野生のイルカを尊重する御蔵島独自の文化であり、感動的な体験を後世までつなげる秘訣となります。
シュノーケリング初心者の注意
御蔵島の海は外洋に面しているため、波や潮流が穏やかな時でも、ある程度の体力と泳力が必要です。
- 必ずライフジャケットやウェットスーツを着用しましょう
- ツアー会社によっては「足のつく場所での練習」といったサービスがないため、事前に自宅やプールなどでシュノーケルの使い方に慣れておくことを強くお勧めします。
御蔵島シュノーケリングツアーの選び方

御蔵島でシュノーケリングを体験するには、島内のドルフィンスイムを専門とするツアー会社(または民宿)に申し込むのが一般的です。
初心者が安心して参加するための選び方
シュノーケリング初心者の方は、以下のポイントをチェックしてツアーを選びましょう。
| チェックポイント | 初心者が得るメリット |
| 少人数制のツアー | ガイドの目が行き届きやすく、細かなアドバイスを受けやすい。水中でのトラブルも素早く対応してもらえる。 |
| 器材レンタルの充実 | シュノーケルセットはもちろん、ウェットスーツ、ライフジャケット、フィンなどがレンタルできるか。 |
| 経験豊富な女性ガイド | 女性の体調・体力面に配慮した、同じ目線でのサポートが期待できる場合がある。 |
| 丁寧な説明 | 海に入る注意点やイルカのルールはもちろん、キャンセル規定やレンタル器材有無や使い方などしっかりと説明してくれる。 |
「激安ツアー」を追求するなら
御蔵島のツアーは、基本的に野生のイルカの保護を目的とした「環境保全料」や「燃料費」が含まれるため、極端にやすいプランはありません。しかし、旅費全体を抑えることは可能です。
旅費を抑えるポイント
宿泊とセットになったプランを選ぶ
島内の宿が、宿泊とドルフィンスイムをセットにしたパッケージプランを販売していることが多いです。
繁忙期(7月下旬〜8月)を避ける
夏休み期間は価格が上がり、予約も取りにくいです。ゴールデンウィーク明けから6月が狙い目。梅雨が気になる方も多いですが、マリンスポーツは雨はあまり影響ありません。比較的暖かく、価格が落ち着いた時期でお勧めです。
島発着のツアーを選ぶ
東京発着の旅行パッケージツアーではなく、自分で船のチケットと宿を取り、宿または現地のショップツアーのみを予約すれば、手数料などがかからず、トータルで安くなる可能性があります。
個人手配はスケジュールの調整や乗船の時間管理など、全て自身で行う必要があります。離島の旅行に慣れていない方は、金額よりも安心・安全を優先した手配を行いましょう。
御蔵島の行き方【東京発アクセス】

御蔵島では基本的に船(客船)でのアクセスになります。飛行場はありません。
東京・竹芝桟橋から大型客船に乗船
船場所:東京・竹芝桟橋(JR浜松町駅などが最寄り)
運行頻度:1日1便
所要時間:約7時間半|22:30 竹芝出航→翌日5:55御蔵島着 ※2025年11月時点
伊豆大島・三宅島などから乗り継ぐ方法
東京から直行便の客船が満席の場合、飛行機または船で伊豆大島や三宅島へ行き、そこから御蔵島行きの船に乗り換える手段もあります。
例:調布(新中央空港)→大島→御蔵島
調布(新中央空港)→三宅島→御蔵島
羽田→八丈島→御蔵島
初心者の方で長時間の船旅に慣れていない方は、追加料金を払ってでも特2等以上の客室(船室)を選ぶことをおすすめします。大部屋の2等客室よりもプライベートな空間でゆっくり休め、到着後のドルフィンスイムに万全の体調で臨めます。
御蔵島の宿泊

御蔵島にはホテルやリゾート施設はなく、宿泊は島の民宿や旅館が中心となります。アットホームな雰囲気が魅力的です。
| 種類 | 特徴 | 初心者へのポイント |
| 民宿 | 島民の方々が切り盛りするアットホームな雰囲気。島の食材を使った家庭料理が魅力的。 | ドルフィンスイムツアーを主催・提携している宿が多いので、予約の手間が省けます。 |
| 旅館 | 民宿よりやや設備が整っている場合が多い。個室が多い傾向。 | 比較的早く予約が埋まるため、計画が決まり次第すぐに予約を。 |
宿泊予約のポイント
ドルフィンスイムの予約とセットで
宿を決める前に、その宿が提供するドルフィンスイムの情報(ボートの環境、人数など)をチェックしましょう。
キャンセルポリシーの確認
御蔵島発着の船は、天候不良で欠航することが多いです。船が欠航した場合のキャンセル料について、必ず確認しておきましょう。
食事の有無
島内には飲食店が少ないため、夕食・朝食付きのプランを選ぶことを強くお勧めします。獲れたての魚や島の食材を使った料理は、島の大きな楽しみの一つです。
シュノーケル体験の流れと準備

初めての御蔵島ドルフィンスイムをスムーズに楽しむための流れと準備を紹介します。
シュノーケリング体験の一般的な流れ
- 宿(またはショップ)に集合 体調管理と器材のフィッティングなど確認
- ブリーフィング(説明) ガイドからボートの説明、イルカと泳ぐ際のルールや注意事項、緊急時の対応など
- 港へ移動・乗船 ライフジャケットを着用しボートに乗り込む
- イルカを探す 船を走らせ、イルカの群れを探す
- ドルフィンスイム開始 ガイドの指示に従い、イルカと遊泳を楽しむ
- 帰港・解散 船酔い対策として、海から上がった後は暖かい飲み物などで身体を温めましょう
持ち物チェックリスト
| 必須アイテム | あると便利なアイテム |
| 水着(事前に着用) | 酔い止め薬 |
| 日焼け止め(環境に配慮したサンゴに優しいもの推奨) | 防水カメラ |
| タオル(速乾性高いものが荷物にならない) | ラッシュガード(夏)、ウェットスーツインナー(寒さ対策) |
| 防寒着(パーカーなど) | ジップロック・防水バッグ |
御蔵島でのドルフィンスイムは、水温が高い時期でもウェットスーツの着用が推奨されています(船によっては必須)。これは防寒のためではなく、浮力が得られるため。体力消耗を防ぎ、安全性を高めるからです。レンタルを利用する際は、必ずウェットスーツが含まれているか確認しましょう。
安全に楽しむためのルールとマナー

御蔵島では、野生のイルカを保護し、その生活を邪魔しないための厳格なルールが定められています。感動的な体験を長く続け、野生のイルカと共存し続けるためにも、参加者一人ひとりのマナーが大切です。
厳守すべき3大ルール
絶対にイルカに触れない
野生動物に触れることは、彼らの病気の原因になったり、人間を警戒するきっかけになったりします。手を伸ばしたり、追いかけたりするのは厳禁です。
イルカが逃げたらすぐに海から上がる
イルカがストレスを感じて逃げた場合は、すぐに船に上がりましょう。ガイドの指示に必ず従ってください。
ボート上では静かに
大きな声を出したり騒いだりすると、イルカを驚かせてしまいます。海に入る前から静かに過ごすことが大切です。
シュノーケリング初心者の安全マナー
- 体調が悪い時は無理をしない 船酔いや体調不良を感じたら、すぐにガイドに伝えましょう。
- 集団から離れない 一人で遠くへ泳いでいかないように、常にガイドや他の参加者との距離感を意識しましょう。
ベストシーズン

御蔵島には一年中イルカが定住していますが、人間がドルフィンスイムを楽しむためのベストシーズンは限られています。ドルフィンスイムの解禁期間は3月15日から11月15日と決められているので、その期間に訪れましょう。
| 時期 | 特徴 | 初心者へのお勧め度 |
| 6月〜10月上旬 | ベストシーズン。水温が高く、快適に泳げる。台風に要注意。 | 非常に高い |
| 4〜5月 10月下旬〜11月 | 春は水温は低いが、イルカが活性になる時期。秋は水温はまだ高いが徐々に観光客が落ち着いてくる。 | 中程度 |
| 12〜3月 | 水温が低く、船の欠航率も高くなるためツアーを実施しない場合が多い。 | 低い |
初めて御蔵島へ行くシュノーケリング初心者の方は、水温が高く、天候が安定しやすい7月9月を狙うのがお勧めです。
シュノーケリング以外の楽しみ方

御蔵島の魅力は海だけではありません。島全体が国立公園に指定されており、手付かずの自然と文化を楽しむことができます。
巨樹が立ち並ぶ原生林トレッキング
御蔵島の山には、樹齢800年を超える巨樹などが生い茂っています。
- トレッキング ガイド付きで、島の固有の植物や野鳥の観察が楽しめます。
- 注意 観光客が立ち入れるエリアは限られています。無許可での立ち入りは厳禁です。
島の歴史と文化に触れる
小さな集落の中には、歴史を感じさせる神社や、島の特産物を販売する商店があります。都会では見られない、満点の星空も御蔵島滞在の醍醐味です。
まとめ
東京からわずか一晩の船旅で行ける秘境の海、御蔵島。
野生のイルカとの出会いは、あなたのこれまでの海へのイメージを一新させる、生命の感動に満ちた体験となるでしょう。
シュノーケリング初心者だからこそ、まずは一歩を踏み出してみませんか?
安全ルールとマナーを守り、経験豊富なガイドの指示に従えば、特別なスキルがなくてもイルカたちは温かくあなたを受け入れてくれます。
この記事を参考に、今年の夏はぜひ御蔵島への旅を計画してみてください。
(協力先)
写真・情報提供/みゆう(Miyuu)、御蔵島観光協会
ライタープロフィール
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フリーランス | 元ダイビングショップスタッフ
約10年間ダイビングショップに勤務し、マリンスポーツ用品の販売に精通。
福岡県在住、好きな九州のダイビングポイントは屋久島、徳之島、与論島。定期的に九州・沖縄の海を堪能。
訪れた島のお酒は必ずたらふく楽しむ酒豪。

