スノーケリングを楽しもう
「どこに行けば、かわいいお魚さんに会えるの」娘のこの一言がきっかけだった。考えてみれば私も海の中でカラフルな魚や美しい珊瑚を見たことがない。妻に尋ねても同じだった。そこでダイビングをする友人に聞いてみると、沖縄県の渡嘉敷島ならスノーケリングで魚や珊瑚を見ることができると教えてくれた。早速、家族と相談し、一家4人で出掛けることに決めた。
白砂の海岸が800mも続く、島内一の賑やかさを誇るのがこの阿波連ビーチ。沖にはハナリ島が浮かび、南の島に訪れたことを実感させてくれる。右手は岩場で、トンネルを抜けると展望台がある。ここは慶良間海峡を隔て、阿嘉島や座間味島が望める絶景ポイントとして有名だ。左手はビーチが続き、その一番奥に小さな港がある。ここからはグラスボードやスノーケーリングツアーなどが出発している。明日は、私たちもボートに乗り込む予定だ。
白砂がずっと続いている。海面のキラキラが砂地に写り、幻想的な世界を演出している。浅瀬ではギンガメアジの群れが出迎え、ベラやチョウチョウオなど南の海ではおなじみの顔ぶれが、次々とマスクの前に現れる。海に入ってみて分かったのだが、ビーチから黒く見えたのは珊瑚だった。周りには魚たちが元気よく泳ぎまわり、マスク越しに見える光景はまさに天然の水族館。下の子もお兄ちゃんの手をしっかりと握り締めながら、大いに楽しんでいるようだ。海面から顔を出すたびに笑顔がほころんでいた。
二日目、ボートに乗ってトカシクビーチへ。風がなく、波も穏やかな絶好のスノーケリング日和だ。風を切り、白波を立てながらボートは進む。ボートの上からも海面下の珊瑚がハッキリと見え、これから向かうポイントのすばらしさを予感させる。
トカシクビーチの沖でボートを止め、私たちはスノーケリングベストを着込み、海に入った。いわゆるボードエントリーだ。最初に私が、続いてこどもたち、最後に妻が入った。水深は5mほどだろうか。こどもたちにとっては今までで一番深い海の体験となった。昨日も感じたがスノーケリングベストは実に便利だ。スノーケリングは水面を漂いながら水中をのぞき見るものだが、これさえあれば、海に身をまかせてプカプカと気持ちよく漂える。安全面からも着用をおすすめしたい。
白砂の海底には珊瑚が点在し、スズメダイやチョウチョウオなどカラフルな魚たちが泳いでいる。みんなの人気者クマノミの姿だって見かけることができた。ガイドブックやダイビング雑誌などでこの辺りの透明度は40mと紹介されているが、マスクの前に広がる世界はまさにその通りだった。透明度が高いので光が海底まで降りそそぎ、とにかく海中が明るい。おかげで珊瑚が元気に育ち、その周りを魚たちが泳いでいる。しかも魚影が濃い。こんなにすばらしい光景を日本で、そしてスノーケリングで見られるとは思ってもいなかった。
昨日のレクチャーが効いたのか、子供たちもだいぶスノーケリングに慣れてきた。はじめはバタバタと海面を叩いていたフィンキックも、水面下をゆっくり蹴っているようで、少しは“様”になってきた。子供たちは初めてのボートエントリーということもあり昨日以上に興奮気味。ボートへあがってもしばらく興奮は冷めることがなかった。
昼食をとるためビーチに向かった。ここの白砂は粒子が細かく小麦粉のよう。素足で歩くと、踏みしめる足の裏を砂が心地よく刺激する。午後はトカシクビーチでのんびりと過ごした。浅瀬でスノーケリングをしたり、浜辺で砂遊びをしたり、ゆったりとした時間が流れた。
今回の旅の目的は、カラフルな魚や美しい珊瑚をこどもたちに見せてあげることだったが、思っていた以上に渡嘉敷島の海はすばらしく感動の連続だった。美しい珊瑚の海を漂うことができたし、カラフルな魚にも出会えた。スノーケリングをするたびに新たな発見があった。なによりも私がうれしかったのは、家族みんなの笑顔だった。4人で手をつなぎ海面を漂ったあの体験は、私たち家族の絆をさらに強めてくれた。海と一体になった瞬間、家族のココロもひとつになった。
渡嘉敷島へは、那覇市の泊港から「フェリーけらま」か高速船「マリンライナー」で渡ることができる。渡嘉敷村役場のホームページに運行時間が掲載されているので確認するとよい。









